スパゲッティというのはハレの食べ物である。 たとえば天気のいい土曜の午後の遅いお昼だったり、家族で行くファミレスだったり、あるいは女性ならば気の合う友達とランチ、なんていうのもあろうか。 初めてのデートはスパゲッティだった、などという思い出話も聞いたことがある。 たとえば「あじの開き」にくらべてポジティブな食べ物だということはわかってもらえるだろう。 そんなスパゲッティなのだが、そのなかでも日陰の役割を果たしているスパゲッティがある。 コンビニ弁当のおかずの下に敷かれているスパゲッティだ。 (工藤 考浩) なぜ敷かれているのか いまこの時点で「はいはいはい、あれね」という方も多いと思う。 僕があのスパゲッティについて話そうとすると、多くの人がそういう反応をする。 みんな目にしているけど、特に気にせず食べていることが多い、あのスパゲッティ。 僕はこれを「敷スパゲッティ」と呼んでいる。 あの敷