第12回 インスブルック (1976年) =デンバー返上で代替開催= 第12回大会は米コロラド州のデンバーが開催地に選ばれたが、自然環境破壊と財政上の理由から同市民を中心に反対運動が起き、大会組織委員会が大会の返上を決めるという異例の経過をたどった。急きょインスブルックが代替開催地に選ばれたのは、64年の第9回大会当時の施設がそのまま残っており、開催が可能と判断されたためだった。アルペンでは男子滑降で地元オーストリアのフランツ・クラマーが優勝。女子ではロジ・ミッターマイヤー(西ドイツ)が滑降と回転の2種目で金メダルを獲得し、大回転でも銀メダルを手にした。日本勢はスピードスケート女子500メートルで長屋真紀子が7位に入ったのが最高。6位以内の入賞は1人もいなかった。 【その時世界は】 中国の周恩来首相が1月、毛沢東共産党主席が9月に相次いで死去し、指導部の巨星を失った中国は政治的な激動期を迎