(1)課題の整理 アーカイブ事業の意義について、昨年10月の検討状況の整理では、文化の健全な発展には、文化的所産としての著作物等を幅広く収集・保存しておくことは重要であること、国民ができるだけ幅広く著作物等へのアクセスができるような環境整備が必要である点について指摘がなされている。しかしながら、その一方で、昨年10月の検討状況の整理では、同時に、具体的に望まれるアーカイブ像について見解が統一されていない点についても指摘をしている。 アーカイブの円滑化に関する指摘についても、多数権利者が関わる場合の利用の円滑化や、権利者不明の場合の利用の円滑化についての指摘と同様に、その背景は、大きく2つの流れに分けられると考えられる。 一つは、保護期間の延長した場合に生じてくる問題としての指摘であり、すなわち、コンテンツのアーカイブを構築するためには、著作物等の複製等が必要となるため、保護期間を死後70年