孤独死した男性が住んでいた部屋(手前)は空き部屋になっていた=多賀城市の仮設住宅で2012年3月11日、鈴木美穂撮影 宮城県多賀城市の仮設住宅で2月、1人暮らしの男性(当時61歳)が、死後3~4日の状態で発見された。入居者の安否確認は、市が委託した管理会社が毎日行う契約になっていたが、男性は放置されていた。市は「『いつも元気だったから大丈夫』という先入観があった。慣れが最悪の事態を招いた」と謝罪。住民の間には「救える命だったのでは」「明日は我が身」との不安感も広がっている。【鈴木美穂】 男性が暮らしていた仮設住宅は、市内で最も早く完成した。高齢者が優先的に入居しており、約40世帯のうち100歳近いお年寄りもいる。敷地内にある談話室の窓からは男性宅の玄関が見えるが、姿を見せなくなっていたことは誰にも気づかれなかった。「もし私だったら……」。60代の入居者の男性は肩をすくめた。 市などによると