ジーンズの低価格化が進むなか、1本2万9400円という高級ジーンズが堅調に売れ続けている。ジャパンデニムの老舗メーカー、ビッグジョンの「R008」だ。Rとは1980年に発売された同社のフラッグシップモデル、「RARE(レア)ジーンズ」を指す。R008はその最新モデルで、同社の創業70周年にあたる2010年に発売された。同年はレアジーンズ誕生30周年の記念の年でもあり、節目の年に「世界に誇れる最高峰のジーンズを作ろう」とスペシャリストが結集。構想2年を経て、日本を代表するプレミアムジーンズが完成した。 コンセプトは「永く穿くレア」。「肉厚感があるが、触れると柔らかく、はけばはくほどハリやコシが戻り、経年変化を楽しみながら長くはける丈夫なジーンズ」といった難題を可能にしたのは、紡績、染色、織布界のスペシャリストたちだ。 糸は、大阪府泉南市の「旭紡績」が担当。米国産の2種類の綿を配合して「コシが