システム開発案件が寄せられた時、それがどの程度の工数を必要とするかを見積もることはとても重要だ。開発の「規模感」がイメージできれば、投入すべきリソースも見当がつくし、それはそのままコスト面での計画にも結び付く。 経験則に拠ったり、開発協力ベンダーが提示してきた概算に頼るという方法もあるが、世の中一般の開発プロジェクトから導き出した「指標」を参考にすることも検討したい。 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が2004年度から毎年続けている「ソフトウェアメトリックス調査」では興味深い調査結果を発表している。スクラッチ開発、つまりパッケージソフトを利用せずに独自でゼロから開発することを前提とした場合、対象システムに実装する「画面数」「バッチ処理数」から、おおよその総工数が見積もれるというものだ。その計算式は以下で表される。 総工数(人月) = 0.97 × 画面数 + 0.26 × バッチ