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良書悪書に関するyasu123hのブックマーク (3)

  • 暇つぶしという重要な問題 - 『暇と退屈の倫理学』

    人生とは何か、という問いに対する答はいろいろあるだろうが、私の答は中学生のころパスカルの『パンセ』を読んだときから同じだ。それは気晴らし(divertissement)である。これは適切な訳語がないが、「人生に意味がないという事実を忘れるために常に何かをして気をまぎらわせること」といった意味である。 パスカルは、兎狩りに行く人を例にとってこれを説明している。狩りは兎を手に入れる手段としては不合理だが、人々の目的は兎をとることではなく、狩りに夢中になって気晴らし(暇つぶし)をすることなのだ。これをパスカルは自己欺瞞と考え、神の中に意味を見出そうとしたが、その著書『キリスト教弁証論』は未完に終わり、断章だけが残された。 それ以来、退屈や暇つぶしについての考察は、西洋哲学の重要なテーマである。ニーチェは退屈をニヒリズムと呼び、それを克服する「超人」を構想した。他方、マルクスは「必然の国」の彼方に

    暇つぶしという重要な問題 - 『暇と退屈の倫理学』
  • 夏休みの読書ガイド

    この「良書悪書」のコーナーも、毎週末に連載してきて、100冊を超えた。これは日語の新刊を毎週1冊というノルマだが、良書はそんなペースでは出ない。だから読んではいけない悪書も書評しているが、★★★★以上はおすすめできる。そこで読書ガイドとして、このコーナーのベスト10を選んでみた。 『フォールト・ラインズ』 『人間らしさとはなにか?』 『マンキュー マクロ経済学』 『マネーの進化史』 『フーコー 生権力と統治性』 『生命保険のカラクリ』 『国家は破綻する』 『シュンペーター伝』 『ポスト・マネタリズムの金融政策』 『イギリス近代史講義』 このうち1と7と9は、週刊東洋経済のベスト4に入っている。1の原著は全世界で賞賛された名著だが、訳がひどい。2は脳科学の権威の書いたやさしい入門書。3は「動学マクロ経済学」とはどんなものかを知りたい人のための入門書。4は貨幣を通じた世界の経済史、5はフーコ

    夏休みの読書ガイド
  • 今年の良書ベスト10

    今年は原著で紹介した1,4,9が翻訳された。欄は出版業界には注目されているようなので、2と6はぜひ訳してほしい。特に2は、今までのマルクス主義的な歴史観をくつがえす重要な業績であり、4とともに平和ボケの日人には必読書である。 経済学では巨匠が気を吐いている。1はアゴラ経済塾のテキストだが、9もサブテキストで使う予定だ。「おもしろ行動経済学」みたいなはいまだに続々と出るが、そういうものを何冊も読むよりこの2冊を読んだほうがいい。 「日銀がお金を配れば日経済は回復する」というカルト政権が誕生したことは「政治的景気循環」を引き起こして日経済を混乱させるおそれが強いが、3はその現状を徹底的に実証データで検証したもの。われわれの直面している問題の恐るべき複雑さを知ることが、その解決の第一歩だ。 日人の意思決定が問われたのも今年の特徴だった。7は事故調の冗漫な報告書より的確に3・11の「失

    今年の良書ベスト10
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