2009年12月09日10:31 カテゴリ経済テクニカル GDPギャップの考え方* 政府の第2次補正予算をめぐって、「デフレギャップを埋めるには力不足だ」といった論評が多い。このデフレギャップというのは、正確にはGDPギャップで、内閣府の推計によれば、今年7~9月期は-6.7%だ。ここから金額を算出して「35兆円の需要不足」という話がよく出るが、これはミスリーディングである。 GDPギャップという場合、マクロ経済理論では現実のGDPと自然水準の乖離をいう。おなじみのMankiwの教科書を引用すると、YをGDP、Y*を自然GDP、rを金利、ρを自然利子率、ランダムな需要ショックをεとすると、t期のGDPギャップΔYtは ΔYt = Yt - Y*t = α(ρ-rt)+εt と書け、この値が負になっている場合にデフレが起こる(αは定数)。つまりGDPギャップ(右辺)は、貨幣的要因(第1項)と