中学生になると、算数が数学になる。そして、数学が算数と異なる大きな理由の一つは、「抽象的な概念」を取り扱うということだ。 なかでも最初のハードルとなるのが、マイナスの概念である。 算数においては数は実際の物質と対応付けられており、1という数字はりんごが1個、2という数字はりんごが2個あると言った具合である。 しかし、マイナスという概念は、現実の物質と対応しない。りんごが-1個、という状態は、現実には無いのである。 そして、このあたりから「数学」が嫌いになりはじめる生徒が増える。それまでに持っていた「数」に対する概念を改める必要があるにもかかわらず、そういったことをきちんと説明されないので、「納得がいかない」という状態になりやすいからだ。 そういった、「数学嫌い」を生み出す原因を解決しようと、鋭く考察しているのが小島寛之氏の「数学でつまずくのはなぜか」である。 例えば、なぜ、「ー(マイナス)
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