5月29日、平等なユートピアを模索する世界中の多くの人々にとって、北欧型の福祉国家モデルは、長年のあいだ憧れの的だった。写真はデンマーク中部オールップの自宅でくつろぐ、92歳の認知症の女性(2019年 ロイター/Fabian Bimmer) 平等なユートピアを模索する世界中の多くの人々にとって、北欧型の福祉国家モデルは、長年のあいだ憧れの的だった。だがこのところ、その北欧モデルに軋みが生じている。 人口高齢化を受けて、北欧諸国の政府は何年もかけて、「ゆりかごから墓場まで」式の寛容な福祉国家を少しずつ骨抜きにしてきた。苛立った有権者が「もうたくさんだ」と声を上げるなかで、デンマークで6月5日に予定されている選挙が1つの転機になるかもしれない。 デンマーク国民は、他の北欧諸国の市民たちと同様、世界でも最も高い部類に入る税金を喜んで納めてきた。全国民を対象とする医療、教育、高齢者介護サービスのた
![福祉国家の優等生「北欧モデル」にひび デンマーク総選挙の最重要争点に](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7d1b1ae23271e31014bca241123ed83df341e800/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2019%2F06%2FREUTERS190605_Denmark-thumb-720x496-161015.jpg)