欧州連合(EU)離脱を決める国民投票やそれに続く政権交代と、重大ニュースが続いた昨年の英政界。その緊張を和らげるかのように、官邸には次々と「ネズミ捕獲長」の役職に抜擢された猫たちが登場し、その様子が連日メディアをにぎわせている。果たしてこの猫たちは単にマスコットの役割しかないのだろうか。今回は、英国の官邸で活躍している猫たちを紹介するとともに、官邸と猫の長い歴史についても触れる。 官邸猫の歴史 ロンドン中心部のダウニング街10番地は、300年近く歴代英国首相の住む官邸として利用されており、その番地から別名No.10とも呼ばれている。英国の古い建築物はネズミに悩まされることが多く、これは例えエリザベス女王や英国首相の住居であっても変わりはない。17世紀の建築とされる首相官邸では、正式な公務員としてこれまで、「首相官邸ネズミ捕獲長」(Chief Mouser to the Cabinet Of
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