ブックマーク / cocolog-nifty.hatenablog.com (54)

  • 猫好きで収集癖のある男が大正二年に書いた一日一善日記について調べるうち空論の時代へと行きついてしまった - 山下泰平の趣味の方法

    前書き 今回の記事はものすごく長い。一日一善を扱った内容で30000文字以上ある。私が書いたブログの記事としては最長だ。 もともと軽い気持で一日一善について調べ出したのだが、関連事項は広がり続け調査に予想外の時間がかかってしまった。そもそもなんで俺はこんなことを調べているのかと自問する日々を経て書き始めた記事である。労力のわりに興味を持つ人が少なそうな内容で、こんなものを誰が読むんだろうかと思いながらも、謎の情熱が沸き上がり無駄に長くなってしまった。 なんだかよく分からないものを書いてしまったなと思うものの、悪いことばかりでもなかった。一日一善について調べ、その結果をまとめたものを書いている時期に、世の中では色々な動きがあってなんだかなぁと脱力してしまうこともあったのだが、改めて一人で調べて発表するのはなかなか良いことだと改めて感じることができた。これは良い出来事だった。 流石にこの長さだ

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  • 創作したことが恥かしくなる社会 - 山下泰平の趣味の方法

    現代では質の良い漫画を描いたら褒められる。優れた小説を描いても褒められる。絵でも音楽でも、それが評価に値するようなものであれば、普通は褒められる。それが恥になるなんてことはありえない。しかしかっては、優れた創作物を生み出した過去が恥になるような社会が日にあった。こういう状況は創作物そのものにも良いことではない上に、後の文化にも悪影響を与えてしまう。 私が知る中で一事例は、立川文庫である。 立川文庫とは、明治44(1911)年に刊行された講談速記である。著者は雪花山人、野花散人とされているが、実態は玉田玉秀斎との山田敬、長男阿鉄(おてつ)とその兄弟、そして早大をドロップアウトした中尾亭、元士族の奥村次郎などで構成された創作集団によるものであった。立川文庫の人気は凄まじく、200点近い作品を刊行し、当時の青少年を熱狂させた。近代的な大衆娯楽物語の魁ともいえる存在である。猿飛佐助をメジャー

  • 明治時代のフィクションで遊廓や遊女がどう美化されたのか紹介する - 山下泰平の趣味の方法

    かなり長く(約15000文字)なってしまったので最初にまとめておくと、この記事は『岩見武勇伝』という物語に生じた変化を紹介しながら、『社会の状況が変化すると娯楽物語の内容も変化する』といったことが書かれている。遊廓は登場するが、その実態については触れていない。 岩見重太郎の妹お辻 『岩見武勇伝』は不完全だから語られ続けた お辻が仇討ちの旅に出るまで 侠客の登場 ヒーローになる若松太兵衛、アイドル化するお辻 なぜお辻の扱いに変化が起きたのか 岩見重太郎の妹お辻 今では忘れ去られてしまっているが、かって岩見重太郎と呼ばれるヒーローがいた。 狒狒を殺す岩見重太郎 岩見重太郎・塙団右衛門 玉田玉秀斎 講演 立川文明堂 大正六(一九一七)年 『岩見武勇伝』は主人公の重太郎が父親の仇である広瀬軍蔵を打つため諸国を巡りつつ、狒狒や山賊を退治し、天橋立で百人斬りを達成、ついでに広瀬軍蔵も完璧に殺害、豊臣秀

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  • ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法

    ゴールデンカムイが面白い 明治娯楽物語における北海道の扱い 源八郎とヒロインの出合い 殺し合いの後で友達になろう 源八郎がロシア人になった理由 シャマケンは源八郎のため奔走し源八郎はロシアへ渡る 学習漫画的側面 苦学生という存在 源八郎とシャマケンの旅 もうひとつの似ている点 ゴールデンカムイが面白い 人からゴールデンカムイが面白いとお勧めされたので読んでいる。グルメ漫画だと思い込んでいたんだけど、実際は人の皮を集めるみたいな話だった。少しビックリしたものの、確かにものすごく面白い。 今は石川啄木が出てきたあたりで、私は文学が基的に好きだからちょっと嬉しい。そのうちアイヌと啄木つながりで金田一京助や知里幸恵、グラフ誌の関係で国木田独歩あたりが出てくるのかなと、楽しみにしている。国木田独歩がビリヤードをしていたら最高だと思う。 その他にゴールデンカムイの世界で活躍できそうな明治期の文学者と

    ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法
  • 岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法

    選んでみました 岩波文庫解説目録(2020年版)から100冊選んでみた。 あくまで2020年版から選んだものなので、岩波文庫のベストなリストではない。あと上下巻やら全6巻みたいなものもあるので、厳密には100冊ではない。 これがなんのためのリストなのかといえば、私が岩波文庫解説目録(2020年版)を眺めてたら面白くなってしまい、気が向いたので100冊選んだものでしかない。既読(含む、岩波文庫以外で読んだもの)だと思われるものから、読んで良かったような記憶があるものを抽出している。 そんなわけで紹介しているものを全部読んだところで、生き方や人生が変わることはない。ただし自分が好きなジャンルくらいは発見できるかもしれない。それに加えて私が日の近代以降の文化が好きなので、読むと近代以降の日文化を理解しやすくなるといった効果はあると思う。 意識したのはつながりで、ここは他のリストと少しだけ違

    岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法
  • コロナに関する政策に竹槍で B29 を爆破するみたいな話だ的な批判をすることについて - 山下泰平の趣味の方法

    間違った例えは止めよう コロナに関する政策に、竹槍で B29 を爆破みたいな話だ的な批判をたまにみるようになってきた。私もわりと子供の頃に、戦時中ヤケクソになった日人は竹槍で B29 をブッ壊そうとしていたといった話を聞いたことがある。その時はへーって思ってわけだけど、最近になって戦中戦後の新聞を読むうち、あれって嘘だったんじゃないのかなと感じるようになってきた。そんなわけで自分で少し調べてみたら、やっぱりこれは有り得ないような話だなといった感じだった。実は先に調べている人たちは沢山いて、ググったら結論はすぐに出るんだけど、ここでは私が調べたことについて記録しておく。 そもそも私は明治の文化を調べていて、かって日人は合理的、科学的に考え行動しようとしていたことを知っていた。これについてはにしてまとめたので、興味がある人は読んでみてください。 簡易生活のすすめ 明治にストレスフリーな最

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  • 戦時中に生きてた人の面白い話が読める PDF を紹介します - 山下泰平の趣味の方法

    昔の話は面白い 私は明治あたりの娯楽物語を読むのが趣味なんだけど、実際見たッ!!! みたいな話はメチャ面白い。 『上野合戦 桃川燕林 口演 今古堂 明治二七(一八九四)年』は、いわゆる講談速記で、講談師が語ったことを速記したものである。演者の桃川燕林は、実際に上野の戦争で官軍に捕まってしまい、殺されそうになったんだけど、たまたま燕林を知ってる人が通り掛り、「そいつは講談師だッ!!」って絶叫してくれたため助かった……という風に、こんな知ってもあんまり意味がない話が面白すぎる。 明治に限った話ではなくて、ジイさんやらバアさんの話は面白い。 私の知人のジイさんから聞いたものだと、戦時中にずっと塩を作り続けたって話がものすごく良かった。その人はいわゆるエリートで、大学を卒業し、そこそこ偉い人として戦争に出る予定だったんだけど、肺の病気になってしまい、日国内に留まることになる。で、なぜか肺の病気

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  • 読まない人が読書で遊ぶための60ステップ - 山下泰平の趣味の方法

    私はわりと読書をしてきたほうだと思う。ただ間違った方法で読書してきたよなーって思わないでもない。それでも楽しく読めてはいて、未だに読書で遊べている。 そんなわけで、読書を楽しむための方法を紹介したい。60ステップあるんで面倒くさいかもしれないけど、やったら速読以外は誰でもできると思う。 対象としているのは全く読書しない人や、目的のある学習しかしてこなかった人で、もしかするとだけど大量に読んでる人にとっても多少なりともマシなことが書かれているかもしれない。あるいはネットで読むものの幅を広げるための練習にもなる可能性もないでもない。考えてみると読まない人はこんな記事を読まないような気もするが、そのあたりはムシっておくことにする。 私自身は電子書籍は読みまくってるんだけど、こちらは紙のを対象としている。また書見台や椅子などの道具や、書籍の軽量化などについても扱っていない。書見台は便利なんだけど

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  • 忠臣蔵は大正時代にも飽きられていた - 山下泰平の趣味の方法

    昔から飽きてた 気が付けば忠臣蔵の人気や知名度が無くなっていたみたいな話をインターネットで見掛けたんだけど、大正時代くらいには忠臣蔵に飽きてる人は多かった。江戸時代くらいから忠臣蔵をアレンジした物語は書かれていたのだから、大正時代以前から忠臣蔵に飽きてた人はわりといたのかもしれない。スタンダードな忠臣蔵を延々と楽しめるのであれば、アレンジする必要なんかない。飽きた人がいたから、物語に改良が加えられたわけである。 ただいわゆる普通の人、あくまで仕事の余暇に物語でも楽しもうかって人たちが飽きはじめたのは、明治の後半くらいなんじゃないのかなっていう雰囲気はある。残念ながら資料としては大正のものしか発見できなかったんで、タイトルでは大正としている。 まずは明治の普通の人たちが忠臣蔵をどう楽しんでいたのか、雑に解説しておこう。 明治の中頃くらい、忠臣蔵の全てを知りたいっていう気運が上がっている。ここ

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  • 「この戦争は間違ってます」とか「日本はいずれ負けます」とかしたり顔でホザいた予知能力者は実在する - 山下泰平の趣味の方法

    戦争を扱ったフィクションで、たまにこの戦争は負けるッ!!みたいなオッさんが出てくる。彼らのような人間は実在してて、元気一杯生きていた。断じて空想上の存在ではない。 記録として残っている日負ける実在するキャラとして、超有名なのが山下清である。山下清は貼絵画家で、今では知らない人が多いんろうけど、かっては裸の大将放浪記というタイトルでドラマ化されていたほどの人物だ。 裸の大将放浪記 山下清物語 [DVD] 出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2008/11/21メディア: DVD クリック: 17回この商品を含むブログを見る 山下清は超リアリストの上に、全く雰囲気が読めない。日が負ける理由は、道具が悪いのと国が狭いのと数カ国相手に戦争するからといった単純明快なもの、確かに正しいんだけど雰囲気読めよなっていう感じなのだが、清は子供の頃から一貫して日戦争に負けると言い張り続けて、幾度も殴ら

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  • 生活のコツを128並べてみる - 山下泰平の趣味の方法

    私は明治期の文化を調べて遊んでいる人なんだけど、最近だと簡易生活っていうのが面白いので調べたり実行したりしている。簡易生活を一言で説明すると、明治時代に発生した個人のポテンシャルを最高に引き出すための手法である。 簡易生活で遊ぶうち、生活自体に興味を持つようになり、だいぶノウハウというかコツが分かってきた。生活が確立されると家庭の外でも安定してきて、穏かに毎日笑って暮すことができるようになる。良い生活は、実に最高だと思う。というわけで生活をコツを128個並べてみた。 このリストには次のような特徴がある。 明治の生活法の簡易生活をベースにしている 基的には一人暮らしの人向けのものになっているような気がしないでもない 生活っていうのは個人差がすごいので、もちろん全く参考にならない人もいる ちなみにお金については色々と実験しているところなので、まだ書くことがない。 全般 社会 装飾 イベント

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  • どうしたら教養を身に付けられるのかって質問されたんだけど - 山下泰平の趣味の方法

    教養とはなにか ちょっと前にどうしたら教養を身に付けられるのって質問されたんだけど、よく分からない感じだった。自分はどうかなって考えたんだけど、かなり微妙だと思う。数年に一度くらい教養があるねぇみたいに言われることがあるんだけど、私は都道府県全部言えないし、鎌倉時代と平安時代どっちが今に近いのかも曖昧である。こないだ数学で遊んでみようと思って子供向けの読んだりしたんだけど、因数分解の意味が分からなかった。つまり私は通常身に付けておくべき知識をムシって別のこと調べて遊び続けてるから、他の人からするとちょっと教養あるっぽく見えるけど、私からすると私をちょっと教養あるっぽいと認識している人がスゲーっていう認識になるわけで、人間の能力みたいなものってトータルだとあんまり変わんないんじゃないのかなっていうようなことを最近は思ったりしている……みたいな人間が、どうやったら教養を身に付けられるのかって

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  • 素手で便所掃除する教育について1万文字くらいかけて考えていきましょう - 山下泰平の趣味の方法

    謎の風習『素手便所掃除』 日には研修や教育目的で素手で、便所掃除するっていう風習がある。子供に学校の便所を素手で掃除させるっていうのが有名だと思う。 その他のバリエーションとして、オッさんを見知らぬ街に連行し、便所掃除をさせてくださいって家庭訪問させるというものがある。その街に住んでいるのは知らない人ばかりだから、オッさんの得意技である人脈を使うことができない。いきなりオッさんがやってきて、便所掃除させてよーって頼んできたら、かなりキモいと思われる。だからみんな断わる。それでオッさんは失意のどん底に放り込まれる。それでも諦めないでオッさんがインターフォンを押しまくってると、そのうち変った家庭があって便所を掃除させてくれる。それでオッさんがすごい感動するみたいなシステムである。 ここからなにが学べるんだかよく分からんのだけど、とにかくこういう風習が日には存在しているんだ。 当のところは

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  • こないだの保毛尾田保毛男のおもしろさ - 山下泰平の趣味の方法

    保毛尾田保毛男を巡る問題 フジテレビが30周年を期して、30年前に流行った保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)を復活させたのだが、私は大笑いしてしまった。実際にテレビを見てないのに面白いってすごいなーって思ってたんだけども、LGBTを支援するコミュニティが抗議声明を発したことで炎上が起きてしまい、フジテレビの社長が謝罪してしまい、余計に面白くなってしまった。 とりあえず状況を詳しく説明しておこう。まず保毛尾田保毛男っていうのは石橋貴明さん(とんねるず)が変な化粧?をして、扇子みたいなの持ってたかな? あとよく覚えてないけど背広も着用して、変な口調で滑稽な格好をするとかそういう感じのキャラクターだろうと思われる。ホモとか連呼していた記憶があるものの、その辺は曖昧、とにかく同性愛の男性が滑稽な格好をするみたいな雰囲気で、今となってはテレビで流したら一触即発な趣きのあるキャラクターである。そんなこと

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  • 福沢諭吉の合理性が大正時代には群馬の校長へと届いていた - 山下泰平の趣味の方法

    学問のすゝめについて 明治時代の先鋭的な人々は、迷信を嫌う傾向があった。そして合理性を追及していた。彼らは時には病的なくらいに迷信を痛罵し、信仰を小馬鹿にしたりする。 彼らが迷信を嫌うのには理由があって、誰もが筋道を立てて考えられる国にしたかったからである。この辺りのことについては、私がかって書いたものがあるので、興味のある方はどうぞ。 山下泰平のタンブラー — 誰もが筋道を立てて考えられる国 01 見様によっては明治時代は、普通の人が理屈で考えられるようになるための時代とすることも出来るくらいで、迷信は排除されるべきものであったし、人々は理屈で物事を考えられるようになろうとしていた。 この「誰もが筋道を立てて考えられる国」の実現に大きな役割を果したのが、福沢諭吉の『学問のすゝめ』なんじゃないかなというのが今の私の推論で、もっというと福沢諭吉の一番の功績っていうのは、迷信を嫌い合理性を追及

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  • 禁酒宣伝百人一首について - 山下泰平の趣味の方法

    禁酒宣伝百人一首 これは大正時代の書かれた小冊子、背景を説明しておくと、百人一首は昔からみんな大好きで、ネットで有名なのだと愛国百人一首がある。禁酒運動に関しては明治くらいからあった。 日における禁酒運動は、キリスト教とペアで広がっていたような雰囲気がある。海外の禁酒運動も同じようなものだけど、日で特殊だったのは禁酒運動もキリスト教も、海外からやって来た新しくて格好の良いものみたいな認識をされていた部分だと思う。 あと貧民が金ないのに酒飲んで人生エラいことになってるのを金持ってる人が見て、酒を止めたらいいじゃんといった素朴な感情が発生し、禁酒運動につながってたりもする。実際に貧しい人に、貯金できますよみたいな感じでキリスト教やら禁酒運動をおすすめしたりしてる人らもわりといた。これがきっかけで、貧民の間でキリスト教徒になるとキリストが鼠小僧みたいな感じで窓から金を放り込んでくれるらしいぞ

  • 剣道と銃剣道どっちが強いのか大正時代に試してる奴らがいた - 山下泰平の趣味の方法

    子供に銃剣道と剣道のどっちを教えるのか迷ってる人たちが大量にいるんだけど、強い方を教えたほうが良いに決ってる。男だったら誰だってそう思う。女だってそう思うはずだし、大正時代の奴らもそう思ってる。そんなわけで大正14年に銃剣道vs剣道の試合が開催されたのであった。 銃剣道は比較的早い時期に陸軍で採用されていたものの、従来の剣術や槍術の応用に過ぎないとされ、一段低く見られてしまう傾向があった。というわけで大日武徳会も、銃剣道に教士範士の称号を与えることが長くなかった。陸軍当局の働きかけによって、大正13年にようやく教士の称号が与えられることになる。 しかしながら銃剣道と剣道が勝負をしたら、剣道が勝つだろといった風潮がまだまだ存在している。銃剣道の人らがイライラしていたところ、大正14年に全国剣道大会が開催されることとなった。 銃剣道から教士が出てから初の試合である。ここで勝てば銃剣道の真価を

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  • 大正時代に教育勅語好きすぎて催眠術を使ってくる奴がいた - 山下泰平の趣味の方法

    あんまり詳しく知らないんだけど、園児に教育勅語を暗唱させてる幼稚園があるらしくって、国会?議会?とにかく偉いオッさんとかが集る場所で大臣みたいな人が教育勅語サイコーって絶叫し、喜ぶ人やら怒る人が出てきて大変だという状況が発生している。 そもそもなんで教育勅語なのかっていう疑問があるんだけど、私の想像だとまず今の日がダサいという事実があって、昔の格好良くて強い日復活してくれーみたいな願望があるんだと思う。それで知識量が少ない人が格好良いみたいなの考えると、教育勅語くらいしか出てこないから、教育勅語渋いッ!!みたいな話になってる。もっと格好良いもの大量にあるんだけど、明治の文化を一所懸命に調べてる人とか少ないから仕方ないって雰囲気がある。 ただ教育勅語はかなりカッチョ良くて魅力的な文章ではあると思う。あんまり意味分からないけど、こうやって見ると形がすごく良いのは理解できると思う。 教育勅語

  • 大正時代の健康法を5年くらい実行してたら普通になったので1万文字くらいかけて紹介する - 山下泰平の趣味の方法

    私は明治やら大正時代が好きで調べてる。それだけじゃなくて、当時流行してたことを実際にやってみるのも好きだったりする。昔だから今より全てにおいて水準が低いので、実行してもあんまり意味ないんだけど面白いからやってる。 大正時代の健康法も実践してることのひとつで、特に効果とかないけど害もない。ものすごい普通さである。しかしイカれた健康法を続けていると、なんか面白い気分になる。面白くて普通なのは最高だと思う。というわけで私が実際にやってる健康法を紹介をしていく。 一応は書いておくけど、心身健康な人は紹介する健康法を別にやっても良いと思うけど、病気の人は病院に行ったほうが良いと思う。明治大正の健康法より現代医学のが強い。そして基的に明治大正の健康法は、気合があったら健康になる! 気合を入れろッ!! 魂で勝負だッ!!! ってのが多い。 病気の人は気合とか意気とか魂に勢いがない。 だから明治大正の健康

    大正時代の健康法を5年くらい実行してたら普通になったので1万文字くらいかけて紹介する - 山下泰平の趣味の方法
  • 舞姫の主人公をボコボコにする最高の小説が明治41年に書かれていたので1万文字くらいかけて紹介する - 山下泰平の趣味の方法

    舞姫の主人公をボコボコにする小説が明治41年に書かれていたので1万文字くらいかけて紹介したいと思います。 舞姫の主人公を殴れば解決するのでは? 冒険旅行ブーム 島村隼人、エリスに刺されそうになり豊太郎を殴ることを決心する 舞姫との差異 ハイカラを討伐しよう アフリカ人と帰国しよう 世界統一ブームがあった 豊太郎廃人となる 舞姫のために 追記 舞姫の主人公を殴れば解決するのでは? 森鴎外による舞姫っていう小説がある。舞姫の内容を知らない人のためにあらすじを書いておこう。 子供の頃からずっと勉強してた太田豊太郎は22歳になると国費でベルリンに留学、ところがヨーロッパの文化に触れ近代的自我に目覚めてすごい苦悩をする。色々あって豊太郎は踊り子のエリスと仲良くなるんだけど、ついでに無職になってしまう。親切な友達の紹介で職をゲットしたらエリスが妊娠、なんだかんだでロシア仕事に行くことになる。エリスは

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