ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (5)

  • 『ノルウェイの森』を見たゼ! - 空中キャンプ

    村上春樹原作の小説を、ベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン監督が映画化。村上春樹の長編小説は、おそらく映画化がもっともむずかしい部類の原作ですが、そのことにはいくつかの理由があるとおもわれます。そしていまから、なぜ村上春樹の小説映画化がむずかしいかについて考えてみようとおもいます。原作を繰りかえし読んでしまっていて、どうしても原作との比較になってしまい、映画を見るために必要な「原作から切り離した個別の作品としてとらえる作業」がうまくできなかったため、映画そのものの感想につなげられないかもしれません。また長編小説を133分におさめることの困難もあるとおもわれ、重要とおもわれる3つのポイントについても自分なりに推測してみました。 1、声にするとリアリティがなくなる 今作でもっとも印象的なのは、登場人物たちの会話です。映画は、原作のせりふをほとんど変えずに使用する手法で撮られており、このこ

  • 「女は何を欲望するか?」/内田樹 - 空中キャンプ

    内田樹新刊。テーマはフェミニズム批判である*1。とはいえ、内田は批判に主軸を置いていない。フェミニズム退潮の原因をさぐり、なぜフェミニズムは知的威信を失ったのかを検証し、かつてフェミニズムが達成した文化的成果のうちで良質なものを見直そうというのがこのの目的になっている。内田はこの作業について、「フェミニズムという船は沈みかかっているけれど、だからといって、ここまで運んできた財宝(知的達成)まで一緒に沈めてしまうのはもったいない。だから持ち出せるだけのものは持ち出して、これからも使うのだ」と例えており、「ポジティブな再検討」といっていいとおもう。 旧態依然としたフェミニズム的価値観──これを内田は「私たちは『そういうことばづかい』で何かを説明されることにしだいにうんざりしてくるのだ」と説明している──をふりまわすような人、ステレオタイプなフェミニストを素でやっているような人がほとんどいなく

  • バーチャル無職 - 空中キャンプ

    ここぞというタイミングで要領がわるく、損ばかりしている。会社から五日間の夏休みがもらえるのはよかったが、気がつくと、休みたかった日程はあらかじめ埋まってしまっていた。いつもこうなのだ。たいていの人が取りたがる休み、たとえば盆の三日間や、土日と合わせて三連休、四連休にできる金曜や月曜も、わたしが休みの予定を入れる段階では、誰かの名前がいくぶん運命論的に書き込まれ、もうすでになくなっている。 わたしは週に一度ずつ、水曜に休みを取ることになった。もちろん、お盆の週は注意ぶかく避けなければいけない。他の人が休むからだ。しかし、いったいこんな休み方でなにができるというのか。中には、六連休する同僚だっているというではないか。もっと押し出しのつよい性格だったら。わたしは、自分の鈍くささを恥じながら、週の真ん中に一日だけ、さして脈絡もなくひょいと投げ出された夏休みを、満喫するでもなく、誰と会うわけでもなく

    バーチャル無職 - 空中キャンプ
  • 空中キャンプ - なんとなく働くという知恵

    25歳までふらふら遊んでいた、ともだちの女の子が、ついに就職することを決め、職探しをしているところだという。彼女の話をいろいろと聞いていると、とても興味ぶかく、社会経験のあまりない子たちが、「就職をする」ということをどうとらえているのか、わずかだが、わたしなりに気がつくことがあった。 何社か履歴書を送った、というので、会社名を教えてもらうと、「COACH、プラダ、エスティーローダ」。その子にとって、就職がどういうものなのか、会社名だけでもなんとなくわかる。そういった、きらびやかな会社に入ることが、彼女にとっての自己実現であり、それ以外のよくわからない仕事をするのは、単なる苦役のようなものであるらしい。うーん。気持ちはわかるのだが、働くということに対するイメージが、すこし貧しいように感じた。世の中にはたくさんの仕事があって、どれもがそれなりにおもしろい。どんな仕事だって、やってみればけっこう

  • 空中キャンプ - だめな人が、単に放っておかれる社会

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