三つ並べましたが、自白事件と否認事件は対になる言葉ですけど、冤罪事件は別の観点からの言葉です。 議論の整理のための基礎知識として簡単に説明します。 分かりやすくするために捜査段階の話は省略していますが、基本的な考え方は同じです。 刑事裁判を大きく二つに分けますと、自白事件と否認事件に分けられます。 これは被告人の裁判に対する姿勢または主張の違いによる区別です。 現在の裁判というのは、対立する当事者がそれぞれの主張をぶつけ合い、裁判官がどちらの主張がどの程度正しいかを判断して裁判するという構造を持っています。 刑事裁判では、まず検察官が、被告人はこれこれこういう犯罪を犯した者である、という主張を行います。簡単に言うと、起訴するということです(手続的には起訴状朗読ですが)。 この段階では、あくまでも検察官の主張にとどまります。 検察官の主張というのは、検察官の言い分であって、それ