研究では、「自分の名前」と「一般名詞」(長さとアクセントを「自分の名前」と揃えたもの)や「同居ネコの名前」を用いた「馴化脱馴化法(※)」を実施しました。まず、すべて異なる「一般名詞」もしくは「同居ネコの名前」を4つ続けてネコに聞かせました。すると、「馴れ」が生じて、音声に対するネコの反応は小さくなりました(馴化)。そして、5つ目の刺激として「自分の名前」を聞かせると、馴れによって小さくなっていたネコの反応が、統計的に有意に大きくなりました(脱馴化)。このことは、ネコが「一般名詞」や「同居ネコの名前」と「自分の名前」を、異なるカテゴリーの刺激として認知していることを示唆します。 見知らぬ人が発する「一般名詞」と「自分の名前」でも、同様の結果が見られたことから、普段の飼い主の呼びかけに含まれる意図しない何等かの音声的手がかりにネコが反応しているのではなく、ヒトの音声に共通する特徴を聞き分けてい