複数の子会社から個人的に総額80億円超の資金を借り入れていたことが発覚し、引責辞任した大王製紙の井川意高会長(47)。同社は「四国の暴れん坊」との異名をとり、一貫して創業家の井川家が経営をリードしてきた。42歳で社長に就任した“切れ者プリンス”は現時点で借入金の使途を明らかにしていない。東証一部上場企業のカネはどこへ消えたか。 「これだけ多額で、理由がはっきりしない個人への貸し付けは問題だ」 佐光正義社長は16日の記者会見でこう述べた。同社は必要があれば刑事告訴を検討する考えで、弁護士らで構成する特別調査委員会で実態解明を急ぐ。借り入れの一部は返済されており、残高は約50億円。井川氏は同社の聞き取りに、借り入れは認めたものの、使途などは明らかにしていないという。 大王製紙は、日本製紙グループ本社と王子製紙に次ぐ総合製紙の国内3位。井川氏は創業者の孫で、父で元社長の高雄氏は「超ワンマン