能登半島地震は、正月の一家だんらんを奪った。揺れで崩れた土砂の中から、救助される家族を待つ人がいる。ビニールハウスに避難し、身を寄せ合う家族がいる。被災地は8日、雪景色の中、地震から1週間を迎える。 押し潰され、見慣れた住宅が横倒しになっていた。その光景をインターネットのニュースで見た男性は、妻の実家が被災したことを悟った。「みんな、身を守ってくれているだろう」。一足先に帰省した妻子や親族の無事を願ったが、救助活動が進むにつれ、悲痛な思いを募らせた。 金沢市の介護施設職員、寺本直之さん(52)は毎年、一家6人で石川県穴水町由比ケ丘にある妻の実家で正月を迎えるのが恒例だった。寺本さんは元日まで仕事のため、遅れて向かうことになっていた。