レビュー 「ビジョンはいらない」「モチベーションは上げない」「イノベーションは目指さない」。これが、LINEを世界数億人のユーザーを誇るグローバルサービスにした立役者の言葉だと知ったら驚く人もいるのではないだろうか。 著者の森川氏は、2015年3月までLINE株式会社の社長を務め、ネットの動画メディアを運営するC Channel株式会社を起業した。本書は、LINEという画期的なサービスを育ててきた森川氏の、シンプルな「経営で成功する本質」をまとめた第一作である。森川氏はこう断言する。「ビジネスの本質は、ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること」。そのために、森川氏は、ユーザーのニーズに応える情熱と能力を持つ社員だけを集め、彼らの能力が最大限に発揮される環境づくりに注力してきたという。冒頭の言葉は、一見、これまでの常識に反するが、本書を読めば、うなずける点が多くあるのではないだろうか