【テヘラン=五十嵐弘一】イスラム教に基づく厳格な統治が行われるイランで、出版社が最も大切な書物である聖典コーランを中国企業に発注した。 ところが発売前の検閲の段階で聖典に多数の誤植が見つかり、イラン政府は中国製コーランの輸入を禁止した。メヘル通信などが伝えた。 イランで出版される書籍は、文化・イスラム指導省が審査し、出版を許可するか決める。特に重要なコーランについては、専門機関「聖コーラン機構」が内容をチェックする。 イランの出版社の間では今年の春頃から、印刷機の老朽化などを理由に、政府の許可を得て、コーランの印刷・製本を中国の業者に発注する動きが出ていた。 ところが、聖コーラン機構が、中国製のコーランを調べたところ、つづりの誤りが数多く見つかった。