霊犀社2にもコメントしたが、日本でいちばん最初に「QWERTYはわざと速く打てないように決められた」と公に言及したのは、坂村健の『TRONキーボードについて』(bit, Vol.19, No.1 (1987年1月), pp.83-90)の以下の部分だと、私は考えていた。 初期のタイプライタは機構が稚拙で,印字速度が速くなると印字棒がすぐ絡むという問題があった.これを解決するように試行錯誤で決められた――つまり速く打てないように決められたのが現在の配列である.この配列は,下から三段目の左から“Q” “W” “E” “R” “T” “Y”とキーが並んでいることからQWERTYキーボードと呼ばれている. ところが先日、都立中央図書館で、坂村健より以前の日本での言及を見つけてしまった。うーむ、とりあえず、『世界発明物語』(日本リーダーズダイジェスト, 1984年2月)の「タイプライター」の項(pp