・つきはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか? 愛情、記憶、夢、楽しむセックス、神(宗教)など多くの「人間らしさ」は脳の進化上の制約(設計ミス)から生じたとする刺激的論考。著者は脳の可塑性研究の国際的リーダーのデイビッド・J・リンデン教授。 脳の進化上の制約とは、 1 既存のもののうえに新たな部分を付け加えるしかない 2 いったん持たせた機能を「オフ」にするのが非常に難しい 3 ニューロンの処理速度が遅く信頼性が低い ということ。「その場しのぎの対策」のためのつぎはぎによって、脳は大きくなり、ネットワーク構造は複雑になり、万能機械になっていったが、燃費は悪く非効率で、予想外の副産物を多く生み出していった。 へんてこなシステムとして夢がある。著者によると、人間は毎晩夢を見ることで膨大な記憶を整理していく。レム睡眠とノンレム睡眠の反復によって記憶の定着と統合を行