我が家の外猫のクロは、初対面のときから部屋にずかずか上がり込んで、当然の様な顔をしてエサを喰っていった。 アタシがそこに引っ越してくる以前から、近所の他の家でも同じような事をやっていたようだわ。 それがクロの逞しさであり、処世術なのよね。仮にアタシが居なくなっても、きっとあの厚かましさで何とか生きて行くのでしょう。 そしてアタシの相棒。 別に一緒に暮らすつもりなんかさらさら無かった。暫くの間の遊びでも良かったの。 でも、その当時居候させてもらっていた相手と喧嘩したらしく、その日の内にアタシのぼろアパートに転がり込んでくることに。アタシの都合など殆どお構いなしに。 以来18年余。 仕事もなく、のらりくらりしている内に病気になり、ますます職を探すのが困難になった。 普通なら、身の置き所が無くて卑屈になり、とっくに自分から出ていってたかもしれない。アタシも定期的にそういう相棒に切れることがあった