ラディカル・リフレクシヴィティと エスノメソドロジー Radical Reflexivity and Ethnomethodology 皆川満寿美* Masumi MINAGAWA* 社会学者の「習性」とでも言えることに、<何かを通じてそれとは別の他のものを見ようとすること>というのがあると思う。例えば、「ブルセラショップに下着を売りに行く女子高校生たち」に「次代の社会システムの予兆」を見たり、「日本人の恥の文化」に、「日本においては、自律的な中間集団によって構成される多元的市民社会が成熟しないうちに、中央志向性の強い民俗社会がそのまま大衆社会化してきた」ことの証拠を見て取ったりする、という具合にである1) 。社会学者は、自らの関心に基づき、様々な研究対象を取り上げるが、そうした関心には、対象そのものへの関心のみならず、その対象を通じて見抜かれるものへの関心が、混在しているように思わ