大分市の病院に軽乗用車が突っ込んで多数のけが人が出るなど、高齢者による事故が後を絶たない。免許返納を呼びかける取り組みが進む中、なぜハンドルを握り続けるのか。1年半前に男子高校生をはねる事故を起こした90代の女性が、毎日新聞の取材に応じた。居住する地域は公共交通が乏しく、車を手放し難かった事故前の暮らしを明かした。 【写真特集】70代女性が運転、病院内に突っ込んだ軽乗用車 事故は信号機のない交差点で起きた。女性が運転する軽ワゴン車と高校生の原付きバイクが衝突し、高校生は一時意識不明の重体となった。女性は道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで逮捕され、昨年春に地裁支部で懲役1年6月、執行猶予3年の判決が言い渡されて、確定した。免許は取り消された。 今年3月、周囲に田畑が広がる女性の自宅を午前中に訪ねると、女性は畑をくわで耕していた。耳が少し遠い以外は、受け答えもしっかりして、農作業をこなす日