韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が汚職疑惑で罷免された。この事態は1997年のアジア通貨危機以来の難局といえる。次期大統領選挙は5月9日に実施されるが、後継者が誰になるかは不透明だ。 韓国の政治危機の発端は2016年10月に朴氏が各財閥に対し、友人の崔順実(チェスンシル)氏が運営する財団に巨額の資金を流すよう圧力をかけたことが表面化したことだった。 韓国人の多くはこの事態を受け、過去のやり方との決別を表明していた朴氏に対し、裏切られたとの感情を抱いた。 結局は父親と同じだった 父親似の権威主義者であった朴氏は、自由民主主義の規範を無視していた。彼女は法の支配をあざ笑ったのだ。腐敗で告発された後も、憲法裁判所への出頭要請を無視した。 朴氏の罷免により、与党の自由韓国党(旧セヌリ党)の下野はほぼ確実となった。中道左派の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表が、9年間にわたる保守派政