「インフレ率2%」は、日本経済にとって悪い。 なぜなら、無理に自国の経済構造に合わないインフレ率を、「欧米がターゲットとしているから」というだけで最優先の目標と設定するのもばかばかしいし、多大なリスクと損失を無視して全力で遮二無二進むことで日本経済へのダメージもとてつもなく大きくなるからだ。これはこれまで何度も議論してきたことである。 今回議論するのは、「インフレ率2%」ということ自体が日本経済にとってはマイナスであり、欧米には(いや世界にも)存在しない日本経済や日本社会の稀有な長所を破壊するものだということである。 なぜ日本だけがインフレ率が上がりにくいのか どういうことか。 まず、なぜ日本だけが欧米と違って、先進国の中でインフレ率が上がりにくいのか。それで経済が安定してきたのか。 日本においては、雇用の安定性を重視してきたため、景気が悪化しても失業率は上がらず、物価も大きくは下落しなか