カントンにサントウ。シセンにコナン。「今日は中華でも食わない?」という提案にすら、少なくともこれだけの選択がついてくる、飽食のニッポン。 しかしこんな時代においても、「エンペン」という響きに耳馴染みのある人というのは、まだそう多くはないのではないだろうか。 「延辺」とは、中国・吉林省に属しながら朝鮮民族の文化も色濃い「延辺朝鮮族自治州」のこと。そして近年ブームとなっている「羊肉食」の知られざる聖地でもある。 そして、中国料理好きであり羊肉好きというのは、この“知られざる”にめっぽう弱いのであった。 というわけで、今回の舞台は東京・御徒町と新大久保に店舗を構える「延吉香(エンジシャン)」。 ゲストは日本の羊食文化の凛々しき裏方「羊齧協会」の主席であり、中国の食文化に詳しい菊池一弘さん。 東京では数少ない本場の延辺料理が味わえる名店に、羊肉のオーソリティを迎え、まだ見ぬ食文化を(そして羊肉ブー