最近ますます社会評論への関心が衰え、政治学を勉強し直したくなっているのですが、そんなこともあって自分のために少し整理。長過ぎて自分でも読みなおすのがしんどいので、「現代日本社会研究のための覚え書き――結論と展望」からstakeholder democracyのところだけ切り貼りします(適宜改行・強調)。 (1)stakeholder democracyへ まず、ポピュリズムへの対応を論じる。ポピュリズムの支配によって具体的政策の質が犠牲とされる事態を避けるためには、多様な利害関心の所在が的確に把握され、多元的な敵対性が適切に組織・代表される必要がある。バラバラに所在している多様な利益ないし価値に公的政治過程への伝達回路を確保することができれば、実質的な利害関心から超然とした「空虚なシニフィアン」=ポピュリストが台頭する条件は失われるからである。民主化の極北としてのポピュリズムの肯定的側面に