年金支給額の伸びを物価や賃金などの上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」が、4月から適用される。本来であれば昨年の賃金上昇分2.3%が支給額に上乗せされるべきだが、スライド調整率0.9%分が差し引かれ、デフレ時のもらいすぎ分(0.5%)も削られる。よって、年金支給額の伸びは0.9%となり、物価上昇率を考えれば手取りは目減り(実質的引き下げ)することになる。多くのマスメディアでは昨年から「高齢者いじめ」のようにたびたび報じられてきたが、果たしてそれほど単純な問題なのだろうか。 まず、マクロ経済スライドとはそもそも何か。衆議院議員・河野太郎氏のブログにある説明がわかりやすいので、以下に引用させてもらう。 「あなたが会長をしている自治会が、公民館で炊き出しをやることになりました。大きな釜でご飯を炊いて、おむすびを握ります。そして自治会のメンバーを全員、年齢順に並んでもらって大きなおむすびを二つ