不思議で不気味で神秘的……ルネ・マグリットの作品は、見ている者にさまざまな感情や疑問を抱かせます。図録を見るだけでは味わえない体験ができる、というのは美術展の醍醐味ですが、マグリット展にはそう思わせる仕掛けがたくさん散りばめられていました。京都では44年ぶりとなった「マグリット展」。学芸員の話を聞きながら、その奇妙な世界観を堪能してきました。 ▽ 2015年5月のイベント | Réne Magritte - マグリット展 日本での最初のマグリット展は1971年。それ以来約10年おきに展覧会が行われており、本格的な回顧展は2002年以来13年ぶり、京都では44年ぶりとなります。これまでかなわなかった作品の展示も実現する今回は、マグリットの世界観をより多面的に見ることができるそうです。日本に上陸した131点のうち、京都展で公開されるのは124点。青空を背景に巨大な岩が浮かぶ「ピレネーの城」は、