今や懐かしい「生活と意見」第十三回、『バルタザールの遍歴』絶版の理由に対する、平野氏側からの反論が六年ぶりに漸く出たらしい。興味のある方は平野氏のサイトに載ったらしいので、そちらをご覧いただきたい。私には誰かご親切な人が全文メールで送ってくれた。 一応読んだが、格別の感想はない。イタい電波女の妄想、売れない本が絶版になるのは当り前、という、くだんの文章をUPした当時ネット上で散々投げ付けられた罵倒を繰り返しているだけであり、こちらとあちらのテクストの関係ないし無関係に関しても、新しいことはひとつも挙げられていない。まあその問題に関しては、これもまたネット上で散々に論じられた後だ。今更こんなものを公にする意味があるとすれば、取り敢えず反論はしましたよ、というだけであろう。 彼は生き延びたし、幸い私も生き延びた。それで漸く双方の主張が出揃ったと言うなら、めでたいことだ。