第22回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作 ぼぎわんが、来る 日本ホラー小説大賞創設以来初となる、予備選考委員オール最高評価。最終選考でも絶賛された作品が、第二十二回の栄えある「大賞」に輝いた。それが澤村伊智『ぼぎわんが、来る』だ。幸せな一家に迫り来る恐怖を描いた本作は、怪談、都市伝説、民俗学などさまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー。怖い話の「怖さ」とは何か?おばけとは何か? 新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待される新人に、本作の誕生秘話を中心に聞いた。 澤村伊智 『ぼぎわんが、来る』 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に秀樹は戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”と