昨年末以来、イランの核開発問題を巡って欧米諸国が経済制裁の動きを強める中、イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖について言及し揺さ振りをかけている。 産油国イランにとって同海峡の封鎖は、自分で自分の首を絞めることになるので、その選択肢はないと考えるのが大方の分別ではあるが、上記制裁がイラン原油の禁輸措置であるなら、その結果はイランにとって同じことになる。 とすれば、追い詰められたイランが苦肉の策としてそのような暴挙に出ることもあながち否定できない。そうなって一番困るのは、中東原油への依存度が極めて高い我が国であり、対岸の火事と傍観してはいられない状況にある。 要は、ことが起こってからどうするかということより、ことが起こらないようにするにはどうすべきかがより重要である。 イラン革命防衛隊の指揮官が「ホルムズ海峡を封鎖するのは、1杯の水を飲むよりたやすい」と言ったと伝えられているが、