電車に乗っていて、後ろのおばさん2人が「子どもに音楽聴かせて、母親は携帯いじって、イマドキの親子ね」と嫌味っぽく話していた。前の席を見ると、大きなヘッドフォンを耳に着けた5歳くらいの男の子がいて、隣の母親はスマホをいじっていた。 その時は何も思わなかったが、あとで、あの子どもが耳に付けていたのはヘッドフォンじゃなかったんだとわかった。あれは「イヤーマフ」という、周囲の音を極力遮断する道具で、『聴覚過敏(ちょうかくかびん)』という症状を持つ子が使用するものだと知った。 音が凶器になる 「聴覚過敏」はまだまだ認知度が低い。読んで字のごとく、音に過敏になることなのだが、普通の人なら何事もない環境音なのに、不快感や苦痛を伴って耐えられなくなる一種の生理的な病気である。どんな音が苦痛なのかは人それぞれで・・・ 救急車のサイレン カラスの鳴き声 車のエンジン音 赤ちゃんの泣き声 トイレにあるハンドドラ