UMLにはユースケース図やアクティビティ図,クラス図など10種類のダイアグラム(図)が定義されている。それぞれのダイアグラムは,要求定義や設計,開発のどのタイミングでどのように使っても自由である。とはいえ,それぞれのダイアグラムには使いどころがある。 要求をモデルとして表現するために用意されているのがユースケース図である。その具体的な作り方を,ここから解説していこう。 必要十分な情報をモデルに盛り込むには,いきなり完成型を目指して作り始めてはいけない。四つのステップを踏むことを推奨する。 ステップ1: アクターを識別 最初のステップは,システムにかかわるアクターを識別することである(図1)。アクターとは,エンドユーザーや保守担当者,他システムなどシステムとかかわる外部の存在を指す。 アクターとして定義されると開発対象外となるので,このステップによってシステム開発の境界線を明示することができ
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