先生という職業は知識があるだけでは務まらない。学生とのコミュニケーションが大事だ。そんな先生を人工知能(AI)に、密かに置き換えてみる実験が、最近、米国ジョージア工科大学で行われた。結果は……学生は誰も気づかなかった。先生の名はジル・ワトソン今年の1月からジョージア工科大学に、アシスタント・ティーチャーとして就任したジル・ワトソンは、IBM社が開発した女性型人工知能(AI)だ。学生の前には姿を現さないが、教授の補佐として、研究プロジェクト関する学生からの質問や疑問を解決するのが仕事だ。打ち解けた言葉づかいが特徴ジル先生が登場するのは、メールのやり取りと学生専用サイトのフォーラムだ。彼女が送るメッセージには堅さがなく、打ち解けた喋り口調で、しかも内容のポイントがはっきりしている。5カ月間の実験期間が終わり、ジル先生がAIだと知らされた学生たちは、ショックを隠せなかったそうだ。「全然気づかなか