あやちゃんと一緒だったから、あれは小学校にあがる前か1年生の頃のことだ。私たちの主な遊び場であった空き地に、家が建つことになった。 私とあやちゃんは隣同士の家に住む同級生の幼なじみで、その空き地はあやちゃんちの向かいにあった。春にはレンゲやクローバーの咲くいい感じの原っぱで、広くはなかったけれど、木の柵を越えれば菜の花畑が広がっていて、その奥には竹やぶまであった。夏にはショウリョウバッタやトノサマバッタを追いかけまわし、秋が近付く頃にはコオロギやら鈴虫も捕まえた。一度、偶然に虫取り網にスズメを捕まえてしまったことがあって、飼いたいといったら祖父に怒られなくなく放したことがある。あのときのスズメはさぞかしはらはらしたことだろう。悪いことをした。 そんなふうに、私とあやちゃんは晴れた日にはもっぱら、その空き地で遊んでいた。手先の器用だった(たしか映画の美術さんだった)あやちゃんのお父さんにベン