参院選では、おおさか維新の会から渡辺喜美氏が当選した一方、神奈川選挙区では民進党の金子洋一氏が落選した。 本コラムで何回も指摘してきたとおり、野党がダメなのは、アベノミクスの第1の矢である金融政策を分かっていないところに、根本原因がある。 世界標準の金融政策は、すなわち雇用政策である。このため欧州の左派政党が最も重視しているのだが、日本の左派政党はここが分からない。ジョセフ・スティグリッツ氏やトマ・ピケティ氏ら海外から著名な学者を招いて講演してもらっても分からない人ばかりが今の日本の左派政党の幹部になっているように思える。 もちろん民進党の中にも、金融政策が雇用政策であることをよく分かっている人もいる。前出の金子氏である。彼は元内閣府官僚であり、国際経験も豊かなエコノミストだ。左派政党に必要な希有な人材を、民進は今回の選挙で失ってしまった。 彼は良識の府である参議院にふさわしく、国際基準の