「改革には抵抗勢力がつきもの」。日経情報ストラテジーで様々な企業の業務改革や風土改革の取り組みを取材して、こんな話をよく聞いていた。ならば抵抗勢力とどう折り合い、巻き込んでいくべきかをテーマにした特集記事が書けないか。こんな視点から取材を始めたのは2007年の末。ほぼ半年を取材につぎ込める算段だった。 「余裕だな」と思いつつ始めたものの、現実にはかなり難航した。理由の1つは、事例取材が難しかったことだ。「今も一緒に仕事をしている同僚のことを、『抵抗勢力』としてお話しするわけにはいきませんよ」。こうして断られた取材の数は十指に余る。 もう1つは自分自身が「抵抗勢力とは何か」を十分に理解できていなかったことだ。コンサルタントや企業の改革リーダーに取材する中で、「抵抗勢力ってこんな人」という自分の概念がどんどん壊れ、再構築を繰り返すことになった。 誤解その1:抵抗勢力は「悪」である 「改革推進チ