著名経済学者のSaez氏が、所得税率の低下が貧富の格差を生み出したとプレゼンしている動画が回って来た(Youtube#1, #2, #3)。アクセス数は多くは無いのだが、高税率を毛嫌いする新自由主義者と言い合う材料には事欠かないので、視聴する価値はあると思う。 税率を上げたら租税収入が増えるわけだが、勤労意欲を削ぐ、租税回避が発生する、経営者が労働者から税金分を搾取しだすなどを懸念する人々もいるらしい。ここ40年間ぐらいで先進国の税率が概ね引き下げられたので、それらが本当かを検証している。その内容を見ていこう(グラフはPiketty Saez and Stantcheva(2011)から転載)。 まず、国際的に最高税率と課税前所得格差は負の相関を持つようになった。
![所得税の累進性の低下が貧富の格差を生み出した!](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/87121c7682e18516ae9f26ebe3f1465103913963/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2F4.bp.blogspot.com%2F-9ir5MQzPxWk%2FT_inQG4Zi_I%2FAAAAAAAAF0w%2Fq8q6jGp_A6o%2Fw1200-h630-p-k-no-nu%2FHeavy-Tax.png)