aikoってかわいいですよね、と知人に言われた。そのような聴き方をしていなかったので驚いた。言われてみればたしかに、という感じだ。同時期にデビューした宇多田ヒカルや椎名林檎と比較したとき、aikoの存在は明らかにかわいさの方を向いている。その歌声はかわいく、その外見はかわいい。それがaiko。盲点になっていた。 そもそも私は、aikoがかわいいかどうかを考えていなかった。その理由は明確で、「俺はaikoだ」という聴き方をしていたからだろう。「俺はaikoだ」と「aikoはかわいい」が接続されてしまえば、「俺はかわいい」に帰結するしかない。それはもう、人間は死ぬ、ソクラテスは人間である、よってソクラテスは死ぬ、とでも言うようなもので、俺はかわいいという結論があっさり弾き出されてしまうのだが、私はその方向に進みたくない。自分で自分をかわいいと言うような男にはなりたくない。 そもそも自分がかわい