JR東海が2027年の開業を目指すリニア中央新幹線計画に絡み、長野県南木曽町 妻籠 ( つまご ) 地区の水道水源保全地区で予定されているトンネル掘削工事を巡って、長野県とJRが県水環境保全条例に基づく事前協議を進めている。 「水がめに穴を開けるようなもの」と危機感を募らせる住民に対し、「影響は小さい」と強調するJR。非常時には、町の人口の3分の1の生活を支える貴重な水源をどう守るのか。揺れる町の現状を探った。 「地域の貴重な資源に対し、破壊的な行為になり得る。今からでも計画を中止するか、ルートを変更する必要がある」 町役場で5日に開かれた県の環境審議会の専門委員会で、住民が意見を述べた。 妻籠水道水源保全地区は1999年、妻籠地区の隣り合う二つの湧水を保全するため、周囲の山林約85ヘクタールが指定された。 三留野 ( みどの ) ・妻籠地区の簡易水道に接続し、通常は、妻籠宿がある妻籠地区