■会話が成り立つ不思議 我々にとって“会話”は、あまりにも自然であるため、日常生活の中でその不思議さに驚くことはほとんどないように思われる。ほとんどの人が毎日誰かしらと普通に会話しているだろうし、たとえ自室から一歩も出ない人でも、会話する能力は持ち合わせているはずだ。 だが、会話を極めて特異な現象と見ることもできる。お笑いコンビ・アンジャッシュが得意とする「勘違いコント」のように、ある言葉が私の意図したように相手に伝わる保障はどこにもないからである。 食べると甘酸っぱい丸くて赤い果物を意味して、私が「リンゴ」と発言したとしても、相手はどういうわけだかビートルズのドラマーだった「リンゴ・スター」や、日本人シンガーの「椎名林檎」を思い浮かべるかもしれない。これほど大胆な勘違いならば、文脈で認識の違いに気付くことは容易と思われるが、たとえば「痛み」や「痒み」といった感覚を意味する言葉の場合、事は
■神学生がトリップした「マーシュ礼拝堂実験」 1962年の聖金曜日(4月20日)、後に「マーシュ礼拝堂実験」と呼ばれる恐るべき実験が行われた。実験に参加したのは、アメリカ・ボストン地区の神学院生と教授、そして、実験を執り行ったハーバード神学校の学生ウォルター・パンケである。 パンケは、LSDグルとして知られる心理学者ティモシー・リアリーの指導の元、博士論文を執筆している最中であり、この実験もそのためのものだった。こともあろうか、パンケは神学生らに幻覚性のキノコ(シロシビン)を摂取させ、幻覚剤が神秘的な宗教経験を引き起こすか試したのだ。 実験後、被験者の大半は深遠な宗教的経験をしたと報告。その1人、後に比較宗教学の権威となるヒューストン・スミスも「これまでに経験した中で最も力強い宇宙的回帰だった」と述懐している。 ■仏教僧やユダヤ教のラビがドラッグを摂取したら? 英紙「The Guardia
現在公開中の「言語と時間」をテーマにした異色のSF映画『メッセージ(原題:Arrival)』では、主人公の言語学者が、宇宙人の言語を解読することで、未来を認識する能力を獲得する。SF映画だから許される荒唐無稽な話のように思われるが、実際に「言語が時間認識に多大なる影響を及ぼしていること」が最新の研究で明らかになった! ■言語が時間経験を変容する オンラインビジネスニュースサイト「Business Insider」(6月17日付)によると、スウェーデン・ストックホルム大学の言語学者エマニュエル・バイルンドが、母語を2つ持つバイリンガルは、言語に応じて異なる“時間把握”をしていることを突き止めたという。もちろん、映画のように彼らが未来を見通す能力を持っているわけではないが、外国語を学ぶことで認識能力に変化が起こるというのだ。 日常的な感覚からすれば、時間とは言葉と関係なく存在し、誰でも同じ時間
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