このことはJSRにとってかなり都合が悪い。「保守的な社風の会社」(取引先関係者)という評判とは裏腹に、ジョンソン社長は事業の「選択と集中」に邁進。1957年に国策会社の「日本合成ゴム」として設立されて以来手がけてきた、合成ゴム(エラストマー)事業も売却した。 レゾナックの持つ石油化学事業を取り込んでしまえば、祖業を手放してまで進めてきた「選択と集中」戦略が逆戻りしてしまう。 再編は同業との「水平統合」とは異なる「垂直統合」のパターンもありえる。フォトレジストの原料メーカーを取り込み、川上のメーカーと一緒になることで、製造の効率化・コストダウンを狙える。 「ターゲットになりえるのは、大阪有機化学工業や東洋合成工業。ほかにも、ダイトーケミックスや日本カーバイド工業も対象になるだろう」。半導体材料業界に詳しい、いちよし経済研究所の大澤充周・主任研究員はそのようにみる。 各社ともフォトレジストの材