新型コロナウイルス問題への対応で右往左往する安倍政権。以前であれば自民党内から後継者の話題があがり、ポスト安倍への動きが活発になるものだった。ところが、新しいリーダーが決まりそうな気配が見られない。派閥がなくなり、「独裁」状態になったことでダイナミズムが失われた政治の不毛について、経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。 * * * 新型コロナウイルス問題で安倍晋三政権が右往左往している。対応が後手後手に回り、安倍首相が思いつきの場当たり的な対策を連発して危機管理能力が驚異的に低いことを露呈した。 さらに検察官定年延長問題や「桜を見る会」答弁などで安倍首相の強引な政権運営が取り沙汰され、急激な景気悪化と株安・円高で「経済の安倍」の金看板にも影が差している。 にもかかわらず、どさくさに紛れて、国民の私権を制限できる「緊急事態宣言」を首相が国会の承認なく出せるようにするなど、安倍首相は“独裁