去る1月25日、中国科学院(the Chinese Academy of Science)が“戦略的・先端科学技術特別プロジェクト”として、トリウム溶融塩原子炉の研究開発を行うと公式に発表した。その内容については3月3日の当コラムで紹介した。 そして、3月11日の大震災による福島第一原子力発電所の事故だ。 3・11震災発生までは、中国科学院の発表に対して世界のメディアのメインストリームはほとんど反応しなかった。しかし、3・11以後は変わった。 米国は持っていたボールを落としてしまった 3月21日に英国のデイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)に掲載された「中国がトリウムでリードする(China is Leading The Way With Thorium)」と題する記事を見てみよう。要訳すると次のようになる。 津波が福島ウラン原子力発電所を襲い、原子力に対する国民の