理由はただひとつ、「だれかに濡れ衣を着せる」から 私はニセ科学が嫌いだ。心の底から嫌悪する。 理由は非常にシンプルで、ニセ科学が、「本来責められるべきでない人に罪を負わせる」からだ。 なぜ私が濡れ衣を嫌うのかというと、私自身が人生上で何度も濡れ衣を着せられてきたからだ。私は、不当な「罪」に問われて苦しんでいる人たちを見ると他人事と思えない。 濡れ衣というのは、いつも「強いほうから弱いほうに着せられる」。人の社会では、 大人が子どもに、 年長者が若者に、 男が女に、 健常者が障害者に、 働ける者が働けない者に、 健康な者が病気の者に、 性自認が身体と一致しているヘテロセクシュアルが性的マイノリティに、 ある国の多数を占める出自の(だと自負する)者が移民に、 家族に恵まれて育った者が恵まれなかった者に、 グループの者が孤立した者に、 名もなき多くの市民が、間違いを犯した者に、 濡れ衣を着せるの