東京地裁で2例目の裁判員裁判が始まる6日、裁判員を選ぶ選任手続きがあり、候補者としてオウム真理教による地下鉄サリン事件の被害女性が裁判所に出向いた。裁判員には選ばれなかったが、手続き後の記者会見で「霞ケ関駅で降りたら、足がすくんだ。裁判には参加したかったが、人を裁くのも恐ろしくて」と複雑な思いを語った。 東京都文京区の主婦、相場裕美さん(43)は95年3月、通勤で地下鉄丸ノ内線に乗っていて被害にあった。事件の影響で視力が低下し今でも心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩む。実行犯が裁かれた東京地裁に行くことはできず、霞が関に足を運んだのは事件以来だった。 対象事件はコンビニ強盗致傷事件だった。「残虐な殺人事件で死刑(判決)となれば倒れるんじゃないかと心配だった」「本当に重い事件ならば参加出来なかった」などと話した。