ウナギ屋の一番のかき入れ時「土用の丑の日」まで、あと1か月に迫った(今年は7月27日)。 例年ならば、この時期からウナギの需要が伸び、活気に満ちた様子が伝わってくる頃だ。しかし今年、関係者から聞こえてくるのは悲痛な声ばかりである。 昨年来の稚魚の不漁に伴う価格高騰の影響で、各地のウナギ専門店では値上げを余儀なくされ、鰻重、鰻丼が、軒並み数百円〜1000円のアップとなっている。「これでは客足が離れてしまう」、「土用の丑にウナギが出せない」と、店主たちは不安な日々を過ごしている。 東京を代表するウナギの老舗『五代目・野田岩』(東京・麻布)も、一品300〜500円の値上げをした。店主の金本兼次郎氏が語る。 「ウナギは庶民の食べ物なので、値上げは最小限にとどめたい。これまでの人脈などを活かし、少しでも仕入れ値を下げられるよう努力しています」 2007年から鰻丼を販売する吉野家でも、100