ワシントンDCに住んでほぼ3年になるが、この街で暮らしていていつも感じるのは、育児と障害者に親切ということだ。街を歩いていると、頻繁にベビーカーと電動車いすを目にする。日本にとどまらず、シカゴ、ボストン、ニューヨークといった米国の大都市と比較しても、ワシントンDCにおける公共交通機関や商業施設の、ベビーカーや車椅子に対する受容性は高く感じる。僕はボストンとニューヨークへ生後半年程度の子供をベビーカーに乗せて歩き回ったのだが、これらの街はエレベーターがない地下鉄の駅があったりして、移動に苦労することがあった。ワシントンDCでは、こうした事態はまず発生しない。 日本のバリアフリー具合はニューヨークよりもさらに遅れていて、八重洲口から新幹線に乗ろうとすれば階段しかない改札があるし、横浜駅に至っては、エスカレーターで向かった先に階段しかない場所があって、元来た道を戻らされるありさまである。エスカレ